夜更けの駅前に１人。
その日何度か部屋の中から眺めたにわか雨に、
ついに鉢合わせてしまった。
僕はタクシーを待ちながら目の前のプランターを見つめている。
軒を伝って集まった特に酷い雨垂れが、
そのひとつを打ち付けている。
サルビア。知っている花だ。
蜜を吸うと甘いらしい。
その哀れな知っている花は、
土と共に自身をまき散らして最期を迎えようとしている。
もししばらくして雨が止んでも、
根腐れを起こすのは避けられないだろう。
プランターをずらさなければならない。
手が汚れるのを躊躇う僕。
タクシーは、来ない。
——————————————————
今、僕はネットカフェに泊まって浮かせた金でステーキを食べたところだ。
俺いいことしたから！
そのくらいはいいよね。
「牛の脂肪は人間の体温では溶かせないから体に悪い」
などという情報を思い出しながら、
そんなものはクソくらえだ！と、
とろける200gにかじりついた！
そのくらいはいいよね。だって。
俺いいことしたからー！うんめぇー！！
その日何度か部屋の中から眺めたにわか雨に、
ついに鉢合わせてしまった。
僕はタクシーを待ちながら目の前のプランターを見つめている。
軒を伝って集まった特に酷い雨垂れが、
そのひとつを打ち付けている。
サルビア。知っている花だ。
蜜を吸うと甘いらしい。
その哀れな知っている花は、
土と共に自身をまき散らして最期を迎えようとしている。
もししばらくして雨が止んでも、
根腐れを起こすのは避けられないだろう。
プランターをずらさなければならない。
手が汚れるのを躊躇う僕。
タクシーは、来ない。
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今、僕はネットカフェに泊まって浮かせた金でステーキを食べたところだ。
俺いいことしたから！
そのくらいはいいよね。
「牛の脂肪は人間の体温では溶かせないから体に悪い」
などという情報を思い出しながら、
そんなものはクソくらえだ！と、
とろける200gにかじりついた！
そのくらいはいいよね。だって。
俺いいことしたからー！うんめぇー！！
